Role
発達障がい支援における
作業療法士の役割とは
一人一人の
「生きやすさ」を作る
作業療法士の仕事
発達に課題を抱えるこどもたちは、日常のなかで「うまくいかない」「なんだかやりにくい」という経験を重ねています。
作業療法士は、感覚の過敏さ・手先の不器用さ・食事や着替えといった日常の困難に対して、こどもたちの「その子らしい生活」が送れるようにサポートします。
単に「訓練する」だけではありません。作業療法士は、こどもたちの小さな成功体験を積み重ねていくなかで、自信と自己肯定感を育む支援を行います。


作業療法士が発達障がい支援で
活躍できる理由

01
感覚統合への理解とアプローチ
こどもの「落ち着きがない」「触られるのを嫌がる」などの行動には、感覚過敏や感覚のアンバランスが関係していることもあります。
作業療法士は、感覚統合の視点からこどもの状態を理解し、適切なあそびや活動を通じて感覚の調整を促します。
たとえば、こんな支援を行います。
- ブランコやトランポリンを使って前庭感覚を刺激
- 手や足を使った感触あそびで触覚への抵抗感を軽減
- 聴覚過敏のこどもにはイヤーマフの活用や静かな環境を整える

02
日常生活動作の支援
食事・着替え・排泄など、毎日の生活動作がうまくできない場合、その背景には筋力や姿勢、視覚認知の課題が隠れていることも。
作業療法士は、それぞれの子に合った方法で「できた!」を引き出し、自己肯定感の育ちを支えます。
たとえば、こんな支援を行います。
- 洋服の前後がわかりやすいマークを付けて着替えを支援
- トイレまでの動線をイラストで示し、視覚的な理解をサポート

03
心理的な安心感への働きかけ
発達障がいのあるこどもたちは、初めての場所や人に不安を感じやすく、周囲との関わりやルール理解に苦手さを持つことがあります。
作業療法士は、こどもの不安や緊張に配慮しながら「安心して過ごせる関係性や環境」を丁寧に整えていきます。
たとえば、こんな支援を行います。
- 「できなかった」経験の後に、すぐに肯定的な言葉をかけて、自信を失わせない支援を行う
- 本人の「好きなあそび」を通して関係づくりを進め、自然な形で他の活動に広げていく

04
「医療」と「生活」の架け橋として
作業療法士は、医療的な知見をもとに、こどもの「暮らし」に密着した支援ができる専門職です。
病院では「診る」ことが中心ですが、放課後等デイサービスでは「生活の中で寄り添う」視点が求められます。
日常の支援に、専門知識を応用できます。
- 「この子が家庭で安全に過ごすには?」
- 「学校生活の中で感覚の困りごとにどう配慮する?」